Dan Nosowitz 記者による2011-11-4記事「Gallery: A History of Data Theft」。
聖書によるとモーゼは12の部族から12人のスパイを雇っていた。
『The Enemy Within: A History of Spies, Spymasters and Espionage』の著者 Terry Crowdy によれば、旧約に出てくるデリラこそは、記録された最初の女スパイであったという。
戦術が詳しく記録された最古の会戦であるカデシュ。ヒッタイト軍は、偽の逃亡兵をエジプト軍営に何人も放ち、偽情報でファラオをひっかけようとした。だがファラオは拷問によって真実を吐かせた。
アンドリュー・ジャクソンが、墓碑で「米国の産業革命の父」と名付けた Samuel Slater は、じつは最高度の産業スパイであった。
1768にアークライトが特許を取っている水力利用の綿糸紡績装置。
スレーターは英国で、アークライトのマシンを置いている工場の労務者の息子として生まれた。1789に彼が21歳になるころには、米国のボストンやニューヨークで事業家たちが軽工業の機械化に悪戦苦闘しているようだった。
スレーターには、機械部品の細部まで立体的に頭の中に記憶できるという特殊な才能があった。彼はアークライトのマシンを構成する機械部品の外形をぜんぶ、頭の中に叩き込み、渡米した。
1790にスレーターはNYからロードアイランドの事業主に手紙でプレゼンし、英国の工場と同じ機械を作って見せますと売り込んだ。英国製と同質の綿布ができなかったら1銭もいりません、と。もし失敗したなら橋から飛び降りるくらいの覚悟であった。契約は成立した。
機械は1793に完成した。英国製オリジナルより小型ではあったが、性能は、そこそこであった。
1812の米英戦争も追い風だった。英国製品が輸入されなくなったので、質の落ちる国産品でも売れたのだ。スレーターさんは百万長者になりましたとさ。
2010に Gawker Media 社の致命的ハッキング事件発生。その会社を事件の10ヶ月前に辞めていた男が語る。
ゴーカー社は、Gizmodoとか Kotakuとか Lifehackerとか Deadspinなどの多数のブログの親会社。
それらブログにログインする全世界の無数の人々の個人情報(それにはツイッターのアカウント&パスワードなどまで含まれる)はすべてゴーカー社の Linuxをベースにしたサーバーに入っていた。なんとそのサーバーがハッキングされてルート・アクセスされ、ソースコードを根こそぎ盗取され、いっさいがっさいの個人情報がぜんぶ何者かに読まれてしまった。
利用者の総計は 1.3 million 人。
ソニーは2011に2度もやられた。4月に、データ根こそぎぶっこ抜きだ。プレイステーションが26日間ダウンした(有料で何かダウンロードすることができなかった)。Gメイルやツイッターが1ヶ月閉鎖したらどうなる? それと同じくらいの事件だった。
ソニーが批難されているのは、ハッキングが判明してから6日間も、それを公表しなかったこと。そのあいだに人々のクレジットカードが悪用されたら、どうなっていたか計り知れない(さいわい、報告された被害はなかったという)。Gawker Mediaは、やられたとわかったら即、事実を公表した。これが、正しい態度である。
ソニーはそれ以前から、音楽や映像の海賊行為を、相手が無名の個人であれ、すぐ訴えるというので、不評判だったが、この事件対応で、さらにイメージが凋落した。
5-25にソニーは2度目の攻撃を受けた。カナダとギリシャのユーザー1万人に影響があった。
6-2に、ハッカー集団の Lulz Security が、SonyPictures.com のユーザーからすっかりデータを盗みましたよという実績を誇示する行動に出た。